ジャケットはイタリア製を買った方がいいのか
ジャケットはイタリア製がイイとよく言われます
ジャケットに関してよく知らなくても、"イタリア製"と聞くとなんとなく"イイもの"のような気がしてしまう方が多いのではないでしょうか
では本当にイタリア製のジャケットは"イイもの"で、絶対にイタリア製を買うべきなのでしょうか
※ジャケットの細かい作りの話はここでしても仕方ないかなと思うので割愛します
白ハット×ブラウンテーラードジャケット×青シャツ×ベージュスラックス×黒スエードコインローファー | メンズファッションスナップ フリ
"イイジャケット"の定義なんてないので、私が思うイイジャケットに関して
①肩に吸い付くような着心地
これは各方面でいろんな方々がおしゃっています
首筋から肩にかけて吸い付くような着心地であること
こちらで中村さんや西口さんもおっしゃっています
個人的にもこれはすごく共感できて、そういう作りになっているジャケットは、肩への力がうまく分散するので着ていて疲れない
ジャケットは疲れるから脱ぎたい、とはならないのです
硬い着心地ではなく、柔らかい着心地
ちなみにこれは人によって合う合わないがあると思うので、金額が高いジャケットほど着心地がいいという事ではないです
究極はオーダーするのが1番だとは思うのですが、自分の体型に合うブランドを探すのも楽しいですよね
②形が綺麗
着用した時の見え方が綺麗です
立体感があると表現するのが1番だとは思うのですが、のぺっとしてないのです
肩や胸まわりに立体感があり、綺麗にウエストがシェイプされてる
最近はあえてウエストシェイプをなくしたモデルなんかも発売されてますが、基本的にはイタリア製のものは綺麗な形です
男性の色気を引き立たせるような感覚
安価なジャケットを羽織った時ありがちな野暮ったさが一切ありません
丈の長さ、ボタンやポケットの位置、ゴージライン・・・全てが計算され尽くした配置なのでしょう
③安価なものでは見かけない生地
ナポリ熟練職人ジャケット・アカデミー俳優セレブご用達| イタリア製ナポリ仕立てオーダースーツ・ジャケット専門店 | AVANCLASSICO
安価なジャケットでは見かけないような生地で作られたジャケットがたくさんあります
イイ生地はすぐにそれとわかります
そこら辺はファストファッションとは顕著に差が出るところですね
お金がない学生なんかだと、ファストファッション等でイタリア人の真似しようと思っても、同じ様な柄のジャケットが売ってなくて諦めるなんてことがよくあります
無地だったとしても、やはり表情にだいぶ差が出ます
この差は、あまりジャケットに詳しくない方でもすぐに分かってしまうくらいでしょう
④財布に優しくない値段
第91回『ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo) 』が開幕。豪華ゲストに注目のブランドが多数出展。 - F-MAGAZINE(エフマガジン)
作りがよければそれだけ手間暇がかかるためお金がかかる
日本製よりもイタリア製の方が、海外から輸入する分諸経費にお金がかかる
なにより、そうした高価なものを身につけているという精神的優位性も大事な要素だと思います
仕事だからとりあえず安価なスーツを着てると思って仕事するよりも、俺は今イイスーツを着て仕事していると思った方が、背筋もシャキッとするはずです
特に男性は大人になるにつれてスーツやジャケットを着用する機会が増えるため、精神的に相手との立場を決める時に、イイものを身につけているかどうかで判断しがちです
特に服装に興味のない男性が、高級時計を欲しがるのもこういう事です
要は格好つけたいのです
高ければ高い方がイイジャケットであるという意味ではなく、高いジャケットの方が
精神的満足を得られやすいという事です
安価だけどイイものを目利きできるようになる頃には、そんな精神的満足の世界には別れを告げているでしょうから
Pitti Uomo 88: closing figures - Pitti Immagine
イタリア製のジャケットはそう言った”イイ"ジャケットの定義に、当てはまるでしょう
しかしだからと言って手放しで褒めるわけではありません
①値段が高すぎる
The Finest Street Style at Pitti Uomo 95 | Sharp Magazine
これおそらくメンズドレスクロージングが好きな方なら皆さん感じているでしょう
特に、私がこの世界にはまった数年前よりも確実に価格が高騰してます
その価格が適正かと言われると、正直微妙なところだと思います
原価の高騰等で値上がりはあるにしても、大きなマーケットである日本に対し吹っかけてきているんじゃないのかとすら思います(これは言いすぎですが・・・)
実際にイタリアに住んでいる方々は、既製服に何十万も出すのであればオーダーしてしまうことがほとんどだそうです
ナポリ仕立てを体感するにはそうした既製服を買うか、日本でたまにあるセレクトショップ主催のオーダー会に参加するしかないのが現状なのですが、果たしてそこまでの金額を払う価値がそこにはあるのか
自分で判断できるようになるためにも、イイ服と言われているものを実際に自分で買って着用してみることが大事なことなのだと思うのです
ただ、あまりに高すぎるものは一般人向けではないかなぁと思うのが正直なところですが・・・
②安くても着やすいジャケットはたくさんある
30年前と今のナポリ仕立てジャケットの違い- Sartoria Caracciolo × Sartoria UM | | PROFESSORE RAMBALDI
例えば私はイタリア製のジャケットをよく着ますが、ユニクロのジャケットや、そこまで高くないブランドのジャケット等も古着で購入したりして着用してます
で、特にユニクロなんかは数年前と違って今はめちゃくちゃしっかりした作りになってます
もちろんプロが見たらイタリア製に至らないところなんてたくさんあるとは思うのですが、一般人が着用する分にはなんの不便もありません
サイズを間違えなければ形も綺麗です
ボタンを自分で変えたりすればオリジナリティも出ます
安価な分、高価なものよりも種類も揃えやすいですしね
大事なことは安価だろうが高価だろうがとにかく着てみること
これはブランドものを古着で買うのもイイと思います
実際に私は古着でイタリア製のジャケットをよく買います
自分で見て、触って、買って、着てみて、しないと本当に自分にとって必要なものかどうかってわからない
もちろんお店側も商売なので、利益の出やすい"イイもの"を勧めてくるでしょう
しかし、それが自分にとって"イイもの"であるかどうかを決めるのはお店やそのブランドではなく自分です
ネットが発達しすぎている現代では、情報は簡単に手に入れられる反面、頭でっかちになったり、誤った情報や供給者側の情報操作に踊らされがちです
そういったことにならないためにも、自分の目を養っていくのが大切なのでしょう
人がイイと言ったら、よくわからないけどイイと思ってしまう
そういう考えは捨てましょう
特に、供給者側はイイところを話すばかりで、悪いところに関しては基本的に話してくれませんからね
これからも何より楽しんで洋服と向き合っていくうちに、自然と"目"を養っていけたらなと思います
まだまだ精進です・・・
それでは、また。